ドラえもんと辻希美と加護亜依とつんく♂と

昨日、ダブルユードラえもんのEDに流れるタイアップ曲がついにオンエアされてしまった。ここは一つ、あえて強引に好意的な見方をしてみる。これをきっかけにドラえもんに興味を持ってくれたダブルユーおよびモー娘。とその周辺のファンの方々には現在作品としてのドラえもんがおかれている厳しい現状を知ってもらえるのだろうか。

現在のドラえもんダブルユーには共通点がある。どちらも引き際のタイミングをわきまえておらず、死に体と化しながら惰性で続いている。そういう意味では、まさに今のアニメドラにうってつけの起用だよな。あー、どう考えても好意的にならない(笑)。いやはや、予想をはるかに超える酷さでしたな。そういえば、常連者が全体的に若いように見える(つまり、モー娘。ハロプロのメインとなるファン層と重なる)とある有名ドラえもんファンサイトの掲示板も好意的な意見は見られなかった。

しゅだい-か 【主題歌】

映画や劇の中で歌われる、主題と関係の深い歌、あるいは主題を表現する歌。テーマ-ソング。(大辞林 第二版 (三省堂))

つんく♂も一応プロのミュージシャンなんだから、主題歌を辞書で引いて考え直せ。言うまでもなく、今回の歌は主題歌でも何でもない。エンディングに流れる、タイアップ歌だ。メロディ、歌詞、どこからみても、ドラえもんとの関連性は全く感じられない。「ああ いいな!」という曲のタイトルがドラえもんっぽいとでも言うのか?画面に登場するナマズがカワイーとか言う輩が出てくるのか?なまずのうろことひげから何を感じ取ればいいのだ。満員電車のあこがれの人とか言っておきながら画面に出てくるのは人じゃなくて猫のミィちゃんという皮肉さ。しかもカレーのにおいがするらしい。関連性を感じる人がいたらどの部分に感じたのか聴きたものだ。同時に、感じた人はどの程度ドラえもんという作品を認識しているかも知りたい。この曲、好き嫌いははっきりするはずだから。日本国民全体を見たら圧倒的に嫌いの方が多いと思うけど。間違いなく、視聴率は分刻みで出るらしいので、今後、しばらくたったら、OPとEDのかかっている時間帯の視聴率を知りたいものだ。外部には絶対でないだろう。

もう何年も前から、主題歌ではなく単なるタイアップだけで流れるアニメが増えている。しかも、それが受け入れられている。だが、この事について反論すると、やれ、懐古主義だの時代の流れで処理される。こういう意見が黙殺されるのは企業側にとって、商売上メリットにならないからであろう。

ドラえもんには夢があるとか続いてほしいという意見があるが、皮肉なことにドラえもんが現在に至るまで続いているのは、結局はお金のためであるのが一番じゃないかな。映画にしても、現在も続いているのは最低10億は見込めるドル箱コンテンツを安易に捨てられなかったからだろうし。また、近年の映画にあるような安易な感動は、藤子・F・不二雄作品で味わえる感動とは全く異質なものだ。反論があるのであれば、とにかく時間を見つけて、原作漫画を読んでほしい。

正直、モー娘。ハロプロのプロデュースをやるようになってからのつんく♂はよく知らない。ニッポン放送で放送されていた古田新太犬山犬子のVジャンプ海賊ステーションにちょくちょくゲストで出てテーマ曲を作っていたり、スーパーマリオクラブのOPを歌ってたりしていたマイナーバンド時代のシャ乱Qが懐かしい。もちろん、あの頃を肯定する訳じゃないけど。

藤子プロの公式サイトテレビ朝日ドラえもん公式サイトに掲載されている彼女らのコメントも見ておこう。

> 新エンディング曲「ああ いいな!」を歌うにあたって

“絶望”と“虚しさ”は十分に伝わりました。

> 「ドラえもん」が大好きというの2人は、エンディングテーマを歌うことについて、「小さい頃に見ていたマンガの主題歌を、まさか自分が歌うことになるなんてとても驚きました」(辻)、「エェ〜!? ウソォ〜!? うれし〜いって感じでしたね! まさか自分がエンディングテーマを歌えるなんて思ってなかったので、本当にびっくりしたし、めちゃめちゃうれしかったですね」(加護)と、大喜びのようす!

お約束のコメント。特に見るべき所はない。まあ年齢が年齢だけにやむを得まい・・・といっても、実年齢以上に精神年齢は低そうだが。強引にツッコむとすれば、お前らが歌っているのはドラえもんのエンディングテーマではなく、ドラえもんのエンディングに流れる曲だよって事である。

> 2人は、「この曲をとおして“元気”と“勇気”を伝えたいな!」(辻)、「ドラえもんにも『イイ曲だね』って言われるように、頑張ります!」(加護)と、メッセージを寄せてくれたよ!

まず無理です。もっとも、表向きには言われまくるでしょうが。

> アニメーションも、の元気いっぱいの歌声にあわせて大変身! 早く覚えて、テレビの前で一緒に歌ってね!

そういえばエンディングアニメーションもひどかった。冒頭に書いたように、ドラえもんとミィちゃんを絡ませるところとか。必死に歌詞に合わせようとした結果なのか否か。アニメドラではもはや、局側の圧力に対するスタッフの精一杯の抵抗すら見られない。

> プロデュースしたつんく♂さんも、「たわいもない些細な夢から、無限の夢まで、女の子のさまざまな欲望と日常を曲にしました」と、曲への思いを披露。「楽しい曲です。ぜひ聴いてください」と自信をこめてPRしてくれました!

前回も触れたけど、このコメントからはドラえもんのエンディングに流れる曲であるという事は全く意識されていない。

> 「ああ いいな!」は、記念すべき初のオリジナル曲で、モーニング娘。卒業後初のシングルでもあるんだって!

要するに、この部分が一番に言いたいところだろう。結果的には、結局、タイアップにドラえもんが利用されただけであろう。その代償は数年後に具体化するであろう。吉川ひなのがIZAMと離婚したときにはもうそれみたことか笑っちゃったよ。

> なお、「ああ いいな!」は8月18日(水)、アップフロントワークス/ゼティマレーベルからリリースされます。こちらもお楽しみに!

もちろん宣伝は忘れない。最後の一文、過去に曲が変更になったときあったかな?

一昨年のOPが東京プリンになったときも、某掲示板でOP以外の問題まで巻き込んで大論争になってしまったが、あのときから、ますます悪くなっている。

今回の一件を最終的に許可したのは誰だろう。無能の木村純一プロデューサーか?この男、以前、同じ掲示板で今のドラえもんを駄目にしたA級戦犯として祭り上げられたことがあった。過去に映画「翼の勇者たち」で森繁久弥が起用された際に、「御大のイメージの役で森繁さんしか思い浮かびませんでした。アニメのアフレコはきちんとした演技力のある俳優さんにしかできませんからね」という声優の存在を無にするかのような問題発言をしている。この程度の男が何でアニメドラえもんのプロデューサーを長年にわたって続けられるのか不思議でたまらないのだが。テレビ朝日にはろくな人材がいないということか。また一つ、ドラえもんの歴史に汚点が増えた。
せめてもの願いとして、短期間で別な歌に変わることと、あの二人が映画に声優として出ない事を強く希望する。


以下、蛇足。今回、W(ダブルユー)が歌うことが発表されると、前回書いたように、曲を聴いていないにもかかわらず批判をした。ネットでも曲を聴く前の非難の声がかなりあった。それに対して、批判は曲を聴いてからにしろという意見もあった。会社側にとっては、事後の感想なんてどうでもいいところもあるんじゃないの?番組を見てしまったら視聴率という実績が残って局側としては万々歳なのだから。タイタニックの初回テレビ放映然り。妻夫木聡竹内結子のひどい吹き替えについては、放映後に大手新聞の投書欄でも取り上げられたけど、記録的な高視聴率は取れているのだから、フジテレビにとっては痛くもかゆくもない。むしろ万々歳である。あと、近年の宮崎駿の映画がいい例。事前の感想として、キャスティングで見る気が失せたので、もののけ姫千と千尋の神隠しも未だに見ていない。そういう自分にこの2作品について言う資格はないということか。カンヌ映画祭で賞を取った、興行収入新記録だった、だから?全部企業側にとってのメリットだけだろ。受け手側としては最終的には面白いかどうか、あるいは心に残る映画であるかであるはずなんだがな。、もう受け手も送り手もお互いに麻痺してきている。