怒濤の藤子漫画出版ラッシュ

テレビアニメのドラえもんは通常放送を休止しての映画分割放映、特番は地震報道による中断→放映延期と大きな出来事が続いている。藤子成分が不足気味になった方もいるかもしれない。一方で、先週は藤子不二雄Aランドのプロゴルファー猿14巻とまんが道20巻、サル4巻が相次いで刊行され、今週はぴっかぴかコミックスドラえもん4巻とパーマン1巻が刊行されたので、個人的には藤子成分は十分に補給できた、というかただいま補給中。ここまでたて続けてに出されると読む方も追いつかないくらいだ。さらに5日には、ぼくドラえもんも控えているし。藤子不二雄Aランドの2冊は秋葉原に用事があったついでに書泉ブックタワーで購入し、サル4巻は、発売されたことをすっかり忘れていたのを、上野駅のBookキオスクで偶然見つけて衝動買いした。

さて、ぴっかぴかコミックス初登場となったパーマンであるが、1巻収録分はてんとう虫コミックス藤子不二雄ランドにも収録されなかった作品も多く、本来の読者のみならず、大人の藤子ファンにとってもうれしい状況になっている。この件に関しては藤子ファンはここにいる/koikesanの日記パーマニアの日々はなバルーンBlogに詳しい。

ところで、この時期や、それ以前に描かれた藤子まんがは基本的に手の指の数が4本となっていると記憶しているが、今回収録された作品は、ほとんど5本になっていた。中には4本で残っているコマも見受けられる。雑誌初出時や藤子不二雄ランド収録時はどうなっていたのか不明であるが、今回収録されるにあたって、藤子プロが描き変えた可能性も否定できない。4本指になっていた理由は、情報源は失念したが、「元々はディズニーが動画で手を素早く動かすときにリアルに見せるために開発された手法で、それを手塚治虫が漫画に取り入れた。」とか。まあ、漫画ならではの記号の一種だったのだろう。それでも、問題があったのか、劇画が流行りだして児童向け漫画でも最低限のリアリズムは必要になったからなのか定かではないが、ドラえもんを描き始めた頃には5本指になっている。4本指から5本指に変えた時期は定かではない。

個人的な見識になるが、どんな理由があろうとも、作者が亡くなっているにも関わらず作品に手を加えることに関しては賛成できない。てんとう虫コミックスドラえもんでは平然と行われているようであるが。今回のパーマンの場合、なぜ4本指なのか疑問に思う読者はきっと出てくるだろう。自分も文庫版ではじめて漫画版パーマンに触れたときに疑問に思ったして、未だにはっきりとしたことはわかっていない。子供の場合はなおさらだ。そのような読者のために、わかりやすく書いた断り書きを載せてほしいと思った。安易にコマに手を加えるより、そうした方が、差別や表現などの問題に関して、より理解が深まると考えている。

本題がずれてきたので話を戻すと、冒頭にも書いたように、作品の鑑賞が全然追いついていないので、さっさと読みふけることにする。


11月3日追記
指の数の件についてkoikesanさんとおおはたさんから情報をいただきました。お二人には感謝申し上げます。
おおはたさんからは

>NU22号再録の「みつ夫くんが三人」を確認しましたが、絵の改竄は見あたりませんでした。

との情報が、またkoikesanさんからは

>体系的に調査したわけではありませんが、初出時における旧「パーマン」は、高学年向け雑誌では基本的に4本指で描かれ、幼年向けになると5本指の場合が増えてくるようです。

とのことなので、確定はできないものの、ぴっかぴかコミックス発刊にあたって藤子プロが指を描き足した可能性は低そうである。