大山のぶ代が自ら語った声優交代の真相

2月23日20時からテレビ東京系にて放映された旅番組「いい旅夢気分」にドラえもん大山のぶ代のび太小原乃梨子、しずか役野村道子の3人が出演した。ドラえもん出演者交代記念卒業旅行という事で、青森県に向かったのであった。途中、3人が温泉につかるシーンが4回も出てきた。風呂につかりながら「のび太さんエッチ!」のセリフも披露してくれた。しずかちゃんの中の人の入浴シーンなんて、後にも先にもこれっきりかもしれない。

さて、今週発売されたサンデー毎日3月6日号に大山のぶ代のロングインタビューが掲載されている。内容としては、ドラえもん役に決まるまでのいきさつや、2001年に直腸癌に冒された際に自ら降板を申し出たこと、そして、交代正式発表前にすっぱ抜かれた際の事など、かなり濃いインタビューとなっている。

2001年に直腸癌に冒された際には、入院が予定より長引いてしまい、これ以上迷惑をかけるわけにはいかなくなり自ら降板を申し出たものの、一蹴されてしまったらしい。
また、交代のいきさつについては、放映開始25周年を迎えた頃から5人の間でそろそろ卒業しないとという話が出始め、2004年の5月頃に全員で同意したと語っている。さらに、交代正式発表前にすっぱ抜かれた時、真夜中に黒柳徹子から電話がかかってきたこと、また、自宅に突然記者が押しかけてきた所に、ちょうど、テレビ局から車が迎えに来て、乗ろうとした一連のやりとりが遠くからカメラマンに撮られた。後日、それがなぜか「アッ、と驚く大山のぶ代」という見出しで交代について知らなかったことに仕立てられてしまった事を明らかにしている。交代が明らかになった直後の女性週刊誌の記事は完全にでっち上げだったようだ。

大山のぶ代本人が交代を望んでいないというのは全くの誤解である。

次のドラえもん達のキャスティングには、似せる声にする必要はないと語っている。その理由として、初めは違和感を感じても、子供はやがて大人になっていき、初めてドラえもんに触れた子供にはドラえもんの声をありのままに表現してほしい。登場人物の心をつかみ、その心だけを次世代につなげてほしいとも語っている。しかし、テレビ朝日からはデイリースポーツの記事にあるように「リニューアルといっても、声は似ている人を選んだ」という発表があったばかり。現声優陣の目にはどのように映ったであろうか。


とにかく濃い記事であるので、ご興味をもたれた方はサンデー毎日本誌の一読をお薦めする。


ところでこのインタビューで一番気になったのは実は以下の箇所。
「1966年、アニメ「ハリスの旋風」の石田国松役をやって以来、声優としての
お仕事はお断りしていました。」
1972年放映のハゼドンや1977年放映の無敵超人ザンボット3で主役の神勝平をやった事になぜ触れようとしないのだろうか。本人が忘れているのか。意図的に隠そうとしているのか。本人が昔演じた役を忘れている事は意外とあって、1973年放映の日テレ版ドラえもんジャイアンをやっていた肝付兼太は、日テレ版を白黒だと思いこんでいたし、野村道子は、1971年放映のさるとびエッちゃんで主役をやった事を完全に忘れていた。無敵超人ザンボット3の場合、スーパーロボット大戦では神勝平は別の人がやっている。昔の声が出せないから、ドラえもん以外の役は引き受けないから等、理由がいくつか考えられるが、大山本人の元に何らかのオファーはあったはずであり、決して忘れてることはないと思うのだが。