わさドラ第4回「驚音波発振機」「オールマイティパス」

・「驚音波発振機
木村昴ジャイアンによるはじめてのリサイタル。どのような歌を歌うか注目していたが、原作の他の話で歌っていたような歌詞だった。なお、原作にはジャイアンリサイタルのシーンはなく、のび太ジャイアンから逃げ隠れるシーンから始まる。先日放映されたスーパーJチャンネルの特集で、木村昴の父親はドイツ人で元オペラ歌手、母親は以前声楽の勉強をしていたことが明かされたが、木村昴ジャイアンの歌唱力はまあまあと言ったところか。音声が加工されているので何とも言えないが。

原作のサブタイトルは元々「狂音波発振機」だったが、過剰な自主規制によって、「狂」の文字が消された結果、「驚音波」に改竄されてしまった。「狂わせる音波」と「驚かせる音波」、どっちが道具名としてふさわしいかは、言うまでもないだろう。リニューアルドラえもんでは、秘密道具をポケットから取り出す際に道具名の字幕が表示されるが、道具の正式名称は「狂音波発振式ネズミ・ゴキブリ・南京虫・家ダニ・白アリ退治機」であるのに対して、画面に表示されたのはサブタイトル名であった。大山のぶ代版では帯番組時代の1979年12月31日に「狂音波発振機」のサブタイトルで初放映され、リメイク版が「ひびけ!ジャイアンの歌」というサブタイトルで1996年3月8日に放映されているので、今回は3回目のアニメ化となる。リメイク版が放映された頃には、てんとう虫コミックスにおける原作のサブタイトル変更が実施された後であったが、前述のようにリメイク版のサブタイトルは「ひびけ!ジャイアンの歌」に変更され、劇中ではドラえもんは道具名を発音するだけで画面上に表示されるわけではなかったため、自主規制の影響を回避していた。今回は、漫画版の自主規制がアニメにも及ぶ形になってしまった。今後、「狂時機(マッド・ウォッチ)」がアニメ化される場合のサブタイトルはどうなるのだろう。時間を狂わせる機械なのだから、そもそも規制の対象に入ること自体おかしいのだが、現在発売されているてんとう虫コミックスでは「驚時機」に変えられた上に、読み方まで「きょうじき」になっていて、完全に道具名が意味を成さなくなっている。

・「オールマイティパス」
星野スミレの声がどうなるのか注目していたが、松井菜桜子だった。パーマンとの繋がりは藤子・F・不二雄のファンサービスなので、別に増山江威子とか栗葉子を出さなくても、本編の進行には影響はない。仮に、今後、パーマンがキャスト総入れ替えでリメイクされた場合に、パー子が松井菜桜子だったら面白いけど。

原作にあるキャバレーに行こうとするのび太の描写も健在。気になった点として、オールマイティパスが効力を発揮した瞬間のエフェクトが何もなくて今ひとつわかりにくかったので、何らかのアニメ的な視覚効果がほしいとは思った。また、星野スミレの自宅の場所に関して、原作漫画だと、のび太が「住所はわかってる。車で三十分ぐらいのとこだ。」というセリフがあるが、今回のアニメ版では、そういった説明はなし。なのになぜか星野スミレの自宅を知っている。この話の脚本を書いたのは高橋ナツコ。細かい説明なしで強引にストーリーを展開するという、いかにもナツコ大先生らしいお話ではあった。


なお、今週はミニシアターはなかった。大原めぐみ木村昴は、演技のさらなる努力が必要といったところ。


藤子アニメ再放送情報
3月までチンプイが放送されていたテレビ朝日土曜早朝4時55分〜5時23分の「アニメdeおめざめ」枠で、明日から21エモンの再放送が始まるようだ。地上波における藤子アニメの再放送は歓迎すべきことではあるが、21エモンは以前この枠で最終回まで放送された事があると記憶しているので、どうせなら、途中で打ち切られたチンプイの続きをやってほしかった。