リニューアルドラえもん 見えにくい本当の評判

変なタイトルになってしまったが、本当の評判って要するに、本来の視聴者層である子供達がどう思っているのかを客観的に知ることが困難という事である。これは、ドラえもんに限らず、子供向けアニメ全般に言えることなのだが。

仮に、アニメ・ドラえもんの視聴対象年齢の上限を10歳位までと想定したとして、その、視聴対象者である子供達からどれほど感想が聞けるかと言うことだ。ブログやファンサイトの掲示板ではほぼ皆無に等しい。公式サイトに子供の意見や感想が掲載されたところで、フィルタリングがかかってしまう。

アニメ・ドラえもんの評判を語る上での大前提のようなものとして、ネットに書き込んでいる人間の大部分は、視聴対象年齢から外れているという事が挙げられると考える。

メインの視聴者である子供以外が書く感想は、どのようなものであれば参考になるだろうか。脚本・作画・演出の分析を中心としたアニヲタ視点での感想、世の中の動向を踏まえた上で多角的に分析する感想、そして、子供を持つ親からの親視点での感想、このような感想は大いに参考になるといえる。一方、多く見られるような、主観的に書く感想は、実はあまり参考にならないのではないか。こういう書き方をしてしまうと身も蓋もないんだけどさ。せいぜい軽く受け流す程度である。と、書いては見たけど、大人が子供向け作品の感想を書く場合、本編だけで評価する事に疑問符を持つというのもある。実際の所、そういった感想は、制作を進めていく上での影響を与えるものなのかねえ。なんで路線を変えたのか、ちょっと調べればすぐにわかることである。

とはいえ、主観的な感想を見ていると、ドラえもんって国民的キャラになっている割には、作品として見た場合、恐ろしいほど知られていなかったり、誤解している人は多いという事は感じた。作品の中身を受け入れる受け入れないは別にしても、リニューアルドラは原点回帰でいくというコンセプトだけは、最低限、わかってもらわないと、話がかみ合わない。

ネット上で話題になったり、評判が高かったからと言って、世の中で話題が広がったり、評価が高くなるとは、必ずしも限らない。ネットの与える影響力なんて、以前より増してきたとはいえ、まだまだほんの微々たる物である。最近の例で言うと、電車男は、まだ例外中の例外であろう。また、ハッピー☆マテリアルオリコン1位にしよう運動なんて、ネット上では散々目にしたし、ITmediaインプレスといった大手コンピュータ系ニュースサイトに取り上げられておきながら、1位への階段ははるかに遠かったようである。マリア様がみてるはネット上では一部で大人気であるような印象だったし、原作小説はそれなりに売れていたのだが、アニメの視聴率は散々たるものだった。これらは極端な例かもしれないが。それに、ネット上なんて簡単に言うけれど、個人個人が見ている普段見ているサイトの傾向によって、ネット上で話題になっているか否かの基準は大きく変わってきてしまうしね。

逆に、世の中で流行っている物が、ネット上でも大きく話題になっているとは限らない。特に、子供向けの場合はなおさらである。ネットでブログを運営したり掲示板に書き込みをしている人達が、どれほど子供達の実態を把握しているというのか。

年2回、大勢の子供達が集結する次世代ワールドホビーフェアというイベントがある。当ブログでも何回かレポとして取り上げた。会場は、幕張メッセであったり、ドーム球場であったり、とにかく大規模なイベントである。会場で販売される限定グッズ目当てに、小学生が朝早くから会場に詰めかけたりするのだ。そこで扱われる限定グッズや、次世代ワールドホビーフェア会場内で行われるイベント、例えば、ダンガンレーサーであったり、カードバトルであったり。これらのホビーについて扱ったサイトは、ネット上ではそれほど多くはないであろう。しかし、子供達の間では大人気であるような印象を受けた。会場に集結した子供達の盛り上がりは、ある意味、コミケ顔負けであった。

結局の所、水田わさびドラえもんが子供達の間でどう思われているのか、実態があまり見えてこないというのが現時点での正直な印象である。自分の交友関係や近所には、評判が聞けるような小中学生がいないのが残念なところだ。