ドラえもんOP曲変更騒動に思う

10月からドラえもんのオープニングテーマが26年ぶりに新曲になることが発表されてから数日、例によって、ファンサイトの掲示板及びブログでは、賛否両論様々な投稿がなされている。しかし、どうも否定派の書き込みを見ると、感情的なものが多く、掲示板に書いているにもかかわらず、ゲストブック感覚の書き逃げが多いと感じた。

反対派を見てみると、ドラえもんファンというよりは、一般人寄りの人、もしくはライトなドラえもんファンが書いているような印象を受けた。一方、ドラえもんと藤子作品を深く愛しているファンは、変更歓迎の方が多かったように感じた。

曲を変える事を反対したり嘆いている輩は、曲さえ変わらなかったら、どんなにアレンジがひどくなろうが誰が歌おうがいいのだろうか。そもそも、ドラえもんのうたなんて、2002年秋に歌い手が山野さと子から東京プリンに変わった時点で既に終わったと、個人的に考えている。13年間使われた大杉久美子版が1992年秋に山野さと子版に変わった時は、ネット普及前とはいえ、ほとんど騒がれなかったと思う。大杉版が好きだった自分は、山野さと子版が今ひとつ馴染めなかった。今となっては、山野さと子版はまだ許容範囲なのだが。

山野さと子版が10年ほど使われたあと、ドラえもんのうたの歌い手は、東京プリン、渡辺美里、AJIと目まぐるしく変わった。渡辺美里版においては、2番のドラえもんの掛け声が「ソレ、とつげき!」から「みんな、ガンバレ!」に変更されるという改悪もなされた。

編曲が延々となされながらも続いているドラえもんのうたにいい加減にウンザリしたというのもある。ルパン三世のテーマ曲がアレンジ版も許せてしまうのは、基本的に作曲者の大野雄二自身が編曲も手がけているからで、第3者の手によってアレンジされたドラえもんのうたの編曲は、今ひとつのものが多かったように思える。

オリジナルを汚すようなアレンジをして延々と流すよりは、いっその事新しくしてしまった方がいいというのが自分の考えである。思い返せば、初期のシンエイ動画藤子アニメは、過去に別の制作会社で作られた事のある作品のリメイクばかりであったが、怪物くんも、忍者ハットリくんも、パーマンも、オバケのQ太郎も、新しく作られた主題歌は、後世まで残ったではないか。

だからこそ、主題歌も、リニューアルと同時に変えておくべきだったと思うし、主題歌を変更することに関しては大賛成である。

ただし、何年にもわたって歌い継がれるような、わかりやすい主題歌を作ってほしい。これは、わざわざ願うほどの事でもない基本中の基本である。なのであるが、現実はどうであろうか。

新オープニング曲は、まだ、一部分しかオンエアされていないので、詳細な感想は、書ける段階にはない。阿木燿子&宇崎竜童コンビが以前手がけたオバケのQ太郎の主題歌「大人になんかならないよ」は、それなりの曲に仕上がっているのだが。

この二人の代表曲は世間的には別の曲が挙げられるのだろう。というか、この二人がオバQを手がけていたこと自体、知らない人が多かったように感じた。実は、オバQ以外にどのような曲を作っているのかよく知らなかったりする。

いずれにせよ、冒頭にも述べたとおり、オープニングテーマ変更という事に関して、変えるなという気は全くなく大賛成。ただし、新オープニングテーマは、正統派の主題歌でなくてはならないという条件を付けておく。