劇場版 機動戦士ZガンダムII 恋人たち 感想

映画機動戦士ZガンダムII-恋人たち-を観に行ってきた。全50話を3部作の映画としてまとめ上げた第2弾である。

今回は第15話「カツの出撃」から第32話「謎のモビルスーツ」までを約100分に凝縮したのだが、見終えた後の第一印象は、第1作「星を継ぐ者」以上に詰め込みすぎを感じたことである。TV版を見ずに映画だけで理解するのはまず無理だと思う。だからこそ、100分が凄く短く感じたのも事実ではあるが。今回は新作画部分は多かった。

また、マウアー・ファラオがほとんど出番のないまま死亡してしまった。これでは、ジェリド・メサが何故カミーユに対して執念深く敵対心を持っているかが弱くなってしまう。カミーユVSジェリドは、Zガンダムの中では比較的重要な位置づけであったと解釈していたのだが、今回、映画としてまとめるに当たっては切り捨てられたも同然であろう。

ところで、TV版とは一部キャストが異なっているが、特に、フォウ・ムラサメサラ・ザビアロフの重要キャラが変更になったのは、映画を語る際には、かなり重要であろう。この変更を巡っては、色々なトラブルを耳にしていたが、その問題はおいておくとして、映画の中身だけで書くことにする。ゆかな が演じるフォウは、TV版の島津冴子と対して変わらなかった。だからこそ、何故わざわざ・・・(以下自粛)。問題は、サラ・ザビアロフである。TV版は水谷優子が演じていたが、映画版は池脇千鶴に変わった。この二人は声質が全く異なり、また、池脇千鶴の方が声が低いために、サラは完全に別のキャラになってしまったと感じた。シロッコの呼び方も、TV版の「パプテマス様」に対して「シロッコ様」だったし。演技も誉められたものではなかったが、TV版の水谷優子も当時は駆け出しのころであり、初々しかった事を考えると五十歩百歩か。このほか、シンタとクムも変更になっている。

ラストではハマーンが顔を見せたが、榊原良子の声がかなり低くなってしまって、非常に老けて見えた。第3作が不安である。

3部作第3弾の「機動戦士ZガンダムIII-星の鼓動は愛-」は来年3月公開である。カミーユが発狂して終わったTV版とは変えてくるらしいのだが、どのようにして締めるのやら。