常磐線ダイヤ改正 E531系運転開始

7月9日、常磐線ダイヤ改正が行われ。特別快速が新設されると共に、新型車両E531系も、この日より運転開始となった。さっそく、乗車してきたので、レポを書こうと思う。

今回のダイヤ改正は相当PRに力を入れており、JR東日本管内の首都圏の路線で、常磐線から遠く離れた場所でも、広告やチラシをかなり見かけた。

柏から、特別快速に乗車する。特別快速はE531系のみが使われる。駅の構内放送からは、北千住、南千住、三河島は通過するのでご注意をとの放送が繰り返し流れていた。さっそく入線。ホームで待っていた他の乗客も、少し驚いた様子を見せる。

車内に入ると、最近のJR東日本の通勤型車両とは異なり、室内の化粧板は灰色ではなく白色で明るい。椅子の色もブルーではなく、茶系統の柄であった。運転席からは針が全て消え、ディスプレイが並ぶのみ。速度計もここに表示される。最近のJR東日本の通勤型車両は、車両間の貫通ドアが省略される傾向にあり、数少ない扉も、開けっ放しにする乗客が多く、走行中は隣の車両からかなりの風が突き抜けていたが、E531系は、全ての車両間に、片側ではあるが、扉が付いている。しかも、E231系で最近の作られた車両と同じく、開けた後は自動的に閉まる扉になっている。

ドアの上には、快速用の取手までの快速に使われるE231系と同じく、LED表示器が2段並び、下の段には案内や運行情報も表示される他、現在乗車中の号車番号が表示されるようになった。

起動時のインバータの音は非常に小さく、ほとんど聞こえず、加速も良い。最高速度は130km/hとの事だが、柏から上野まででは、そこまで速度を出せる場所はほとんどない。自分が乗車した列車は、唯一、亀有を過ぎてからの直線で加速が始まり、綾瀬を120km/h前後で通過した。明らかに、今までの車両とは景色の流れが異なる。E231系は、たまに110km/h出しているのを見たことがあるが、それよりも速い感じがした。しかし、モーターの音は逆に静かに感じた。歯車比がE231系より小さいためであろう。また、総武快速横須賀線に使われるE217系が120km/hで走ると、左右にかなりの振動を感じるが、E531系ではそのような振動は感じなかった。通過する駅も含めて、ホームには鉄っちゃんの姿をちらほら見かけた。23分で上野に到着すると、折り返し電車を待つ鉄っちゃんの姿が多数いた。上野駅中央改札口を出ると、駅構内に大きく広告がつり下がっていた。


電光案内 幅詰めすぎで見にくい


ドア上部にある2段LED。下段には号車番号も表示


ドアに貼ってある半自動扉の案内ステッカー。


車内。黒色の吊革とドア付近の黄色の床が目につく。


網棚は従来の網からパネル状のものになったが、光が遮断されるので暗くなったような。


上野にて 特別快速到着直後。写真撮影者が多いためか警備員の姿も。


上野駅中央コンコースにはダイヤ改正を告げる巨大広告が


左からE531系、E231系、そして103系の並び。

しばらく時間をつぶして、帰りの電車もE531系を利用した。今度は取手まで快速運転を行う従来通りの運転である。運転席を観察していたが、100km/h以上出すことはなかった。

常磐線は、1995年と1998年にE501系が投入され、旧型車両を置き換えるかに思われたが、60両で製造打ち止め。ドイツのシーメンス社製のインバータを採用したが、国内メーカーと比較すると故障時のサポート体制などで問題があったようだ。

結局、取手までの快速に使用される車両は、2001年からE231系への置き換えが始まったが、取手以遠に使われる403系と415系は、変化のない状態が続いていた。長年、待たされただけあって、他の地区に投入された車両の不満点が数多く反映される結果となった。今後はE531系が引き続き投入され、再来年には415系鋼製車は全て置き換えられ、ステンレス車体の後期車は水戸線に回され、上野には顔を出さなくなる見込みである。また、現在、10両1編成、5両2編成の計20両だけ残っている103系も、つくばエクスプレス開業後の乗客流動を見込んだ上で廃車されるようである。