常磐線から二階建普通車本日引退

つくばエクスプレス開業を来月に控えて、明日、常磐線単独のダイヤ改正が行われることになった。今回のダイヤ改正では新型E531系が投入されるほか、日中に、特別快速が新設となる。

その一方で、1991年に一両だけ試作された二階建普通車が、本日をもって離脱することになった。この二階建普通車、クハ415-1901は、翌年にデビューした東海道線の全車二階建車両215系の元となった車両である。クハ415-1901は、デビュー当初は、朝の通勤快速に使われた他、夜も2往復、合わせて一日3往復上野まで顔を出していたが、混雑の激しい常磐線では定時運行妨げの原因となってしまっていた。そして、数年前からは、一番混雑の激しい時間帯から外され、早朝に一往復、夜間に一往復の一日二往復に減らされてしまった。

というわけで、今週、乗り収めに行ってきた。デビュー以来、何回乗っただろうか。二階席に座ると、動き出し始めたとき、独特の揺れが始まる。屋根まで届きそうな曲面ガラスから眺める景色は良好。空調の音が非常にうるさく、車内放送はあまり聞こえない。一方、一階席から眺める車窓も地面ギリギリを這っているようで独特であった。

朝の上りが日暮里駅に着くと、1階から2階から大勢の乗り換え客が降りる。2階は横5列で通路が狭い。また、扉が2つしかないので、発車ベルが鳴り終わった後も、全員降りきれておらず、さらに時間がかかる。つくづくこの車両の抱える欠点を実感した。

今度のダイヤ改正では、E531系は90両の投入であり、製造が終了までは、415系も走り続けることになる。ステンレス車体の後期製造車は水戸線を中心に今後も使われる予定であるが、白に青帯の鋼製車は、いずれは全車引退の予定のようだが、一部の車両が廃車となるものの、当分は走り続ける。

しかし、ステンレス車体の2階建普通車は、真っ先に離脱対象車となってしまった。試作の車両で一両しかないため他の車両にはない部品も多く、使い勝手も悪いのであろう。誕生してからまだ14年。車体にくたびれがほとんど見られないにもかかわらず引退してしまうのが残念でならない。

215系の方も、デビュー当初は、日中は快速アクティーとして東海道線を走っていたが、やはり2扉で乗降に時間がかかる事が嫌われたのか、湘南新宿ライン開業後は新宿折り返しの横須賀線に回された。しかし、昨年秋のグリーン車組み込みのE231系に統一後は湘南新宿ラインからも撤退。平日の昼間は出番がなくなり、休日の日中にホリデー快速として走るのみ、になってしまった。事実上、平日朝の湘南ライナー専用車となっている。

首都圏では乗客が多すぎて二階建車両はグリーン車だけで精一杯、普通車には合わなかったようだ。

明日以降、首都圏で平日に二階建車両に乗る場合は、ライナー券もしくはグリーン券が必要となる。



上野発2051 1461M



この乗車位置案内板も見納め



1335M勝田行 0817柏到着



上野発0749 1335M勝田行発車前



上野発0749 1335M勝田行発車前(2)



座席が全て埋まっているときには点灯して知らせる



独特のサイドビューも見納め。



今回の改正は中距離電車と特急が中心。よって取手までの快速には変化がなく、改正後も103系は残る模様。