2005年の映画ドラえもんは休止

小学館発行の週刊誌、週刊ポストに記事が掲載され、公式サイトに、ファンの皆様へと題して以下のメッセージが掲載された。

毎年「映画 ドラえもん」を楽しみに観ていただいて、
本当にありがとうございます。
「映画 ドラえもん」は今から25年前、
1980年の春に第一回が始まりました。
それからずっと毎年春に、
長編まんが「ドラえもん」原作の映画が作られ続けたんだよ。
君たちのお父さん、お母さん、お兄さん、お姉さんたち
小さい頃に、「ドラえもん」の映画を楽しんでくれたと思います。
そして、今春はついに25回目の作品が公開されました。
みんなの応援のおかげで、大きなシリーズになったこと、
とてもうれしく思っています。

これまでの一作、一作、
ドラえもん」の生みの親 藤子・F・不二雄先生は
「夢」や「冒険」いっぱいの
楽しい「ドラえもん」を描いてくれました。
映画を観てくれているみんなといっしょに、
ぼくたちも、宇宙や海底、未来や大昔、
いろんなところでたくさんの活躍ができて、
とても楽しかったです。

スタッフのみなさんが、これからの未来に向け、
もっと楽しくて、もっと面白い「ドラえもん」映画を作ろうと
新しい映画づくりを始める決意をしました。
じっくり時間をかけて取り組むため、
2005年春の劇場公開はお休みさせていただきます。

次の映画で、ぼくたちはみんなの前の大きなスクリーンに
元気に登場します。
これからも応援よろしくお願いします。
2006年春の超大作 長編映画ドラえもん」を
ぜひ、楽しみに待っていてくださいね〜!!!。(ドラえもんワールドより)

長年のファンとしては、関係者一同に対して、よくぞ大英断を下したと評価したいと思う。むしろ遅すぎるくらいだ。ドラえもん映画は、藤子・F・不二雄存命中の末期には既にかつての輝きは失われていたし、この世を去ってからは、いわゆる"てこ入れ"なのか単なる話題性作りなのか定かではないが、キャストに声優未経験のタレントの起用、主題歌に中途半端な芸能人の起用などをエスカレートさせ、肝心の内容は昨年より良くなって来年は期待できるかと思いきやまたレベルが下がるの繰り返しであった。ここまで25年間休まず続けてこられたのは、夢や冒険をいつまでもという表面的な理由もあっただろうが、やはり東宝としては配給収入最低10億は見込めるドル箱コンテンツを安易に失いたくなかったというのが本音ではなかろうか。

ただ、2006年には復活するということでしょう。無期限凍結ではない。一部記事でも触れられているように、おそらくスタッフ総入れ替え、もしくは大部分を入れ替えになるのは間違いないだろう。だとすると監督が芝山努から渡辺歩に交代するのだろうか。そうすると、ますますドラえもんという名前が残り、中身は540度くらい別物になってしまうかもしれない。

高齢化の進むメイン声優の健康問題も多少は絡んでいるのかもしれない。幸い、短期間の代役を立てた例はあるものの、長期離脱を余儀なくされるような事態になる可能性は年々増している。

遠い将来、いつかはアニメドラえもんにも終わりはやってくる。男はつらいよみたいに、亡くなった時点で終わりになるのか、サザエさんのカツオみたいにキャスト交代で続行するのかそれはわからない。メインキャストの一人が欠けた時点で終わりとするならば、初代のび太のパパ役だった故・加藤正之氏が最後に出演した「雲の王国」で終わっていたのかも知れない。

あくまで、個人的な思いになってしまうが、やはり、ドラえもんはF氏が亡くなった時点で終わりにすべきだったと思う。2006年復活ではなく、25年を区切りにとりあえず歴史を閉じてほしかった。ドラえもんと称しておきながら、中身にはF氏が描いてきたドラえもんの良さがスタッフによって破壊されていく様を年々見ていくのはつらかった。第3者の手によるドラえもんを見たいという声が多数あるのはわかっている。でもね、そういう声を上げる人は、F氏の手がけた作品をどれくらい見てきたのだろうかと思ってしまう。F氏の作品を、ドラえもんだけでも全て読んだ人はごく少数だろうし、アニメも、1996年9月の時点で放映開始から17年が経過していた。17年間に作られたアニメ作品をすべて見た人もほとんどいないだろう。

言うまでもなく、ドラえもんという作品は子供向け生活ギャグ漫画であり、子供が読んでなんぼのものだと思う。そして、その面白さは時代を超えて不変だと信じている。だからこそ、多くの子供には、第3者の手により描かれた似非ドラえもんではなく、F氏が描いてきたドラえもんに直に触れてほしいと思うのだ。最近のアニメドラは、脚本を見ても、こいつ絶対ドラえもんの原作よく理解していないだろと思うようなトンデモ脚本が増えていた。その結果の代償として残ったのは、「ドラえもんはダサいもの」と小学生に思われて、低学年のうちに卒業してしまう人が増えているといったものだった。原作を多く読みこなせばそんなことないのに、アニメのドラえもんドラえもんの全てになってしまっている。

とりあえず、ダブルユーが映画に声優もしくは主題歌として関わるというドラえもん史上最悪の事態は回避された事は喜ばしい。

あと、せめてオールナイトだけは2005年もこれからも開催してほしいな。スタッフ&声優トーク&旧作上映だけで十分に成り立つし、ペイできると思う。スタッフには非常に申し訳ないけど、個人的にオールナイトにおける新作上映はおまけだったし。藤子ファンが年齢を問わず集結する数少ないイベントなのだから。オールナイトも楽しいけど、終了後のオフ会も楽しいのである。

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